10月25(金)から28日、奥秩父山系の金峰山・瑞牆山縦走 (百名山2座)の遠征例会、BⅡハイクを実施しました。参加者4名。
1.計画概要
1)往路アクセス
10月25日 高速バス東梅田発22:00→甲府駅南口着(翌日)7:12→塩山駅(タクシー)→大弛峠登山口
2)コース
10月26日 大弛峠登山口~朝日岳~鉄山~金峰山~金峰山小屋(泊)
10月27日 金峰山小屋~砂払の頭~大日岩~富士見平小屋~瑞牆山~瑞牆山荘(泊)
3)復路アクセス
10月28日 瑞牆山荘バス→韮崎駅/特急あずさ→塩尻駅/特急しなの→名古屋駅/ひかり→新大阪駅
4)距離時間等:時間:9時間30分 距離:約13.5km 累積標高:+1250m-2100m
5)山域の概要とコース設定:
金峰山(標高2,599 m)は山梨県甲府市と長野県川上村の境界にある日本百名山です。西隣の瑞牆山とともに奥秩父西端を代表する山で、奥秩父の盟主的な存在の山です。山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼ばれ、また別名「甲州御岳山」とも呼ばれています。
瑞牆山(標高2,230m)は山梨県北杜市にある日本百名山。花崗岩の岩峰が林立する、特異な景観を見せる山で、山頂は石舞台のような巨大な岩盤からなり、すばらしい景観が広がっています。
今回の例会はこの百名山2座を登る計画。1日目:大弛峠登山口(2360m)から最短コースで金峰山(金峰山小屋泊)を登り、2日目:「砂払の頭」までの岩稜絶景を楽しみ、コース途中の富士見平小屋分岐から瑞牆山をピストン、瑞牆山荘までを縦走するコースで計画されています。全体として岩稜帯やガレ場なども多く慎重な歩きが求められます。
2.山行の記録
1)塩山駅から大弛峠へ
10月26日(土)早朝、大阪発の夜行バスで甲府駅到着、中央線に乗り換え塩山駅へ、そして塩山駅で予約していたタクシーに乗り、登山口の大弛峠に向かいます。
車が高度を上げるに連れ、山麓の素晴らしい紅葉や景観が目に入るようになります。途中幾度も車を止めて頂き、紅葉に染まる山や鳳凰三山などの南アルプスの山並そして金峰山五丈岩の景観に感激します。運転手さんの話によると昨年のこの時期は既に雪で通行止めになっていたとの事。今例会が天気に恵まれ、紅葉期に重なった幸運に感謝、テンションも高まります。9時過ぎ大弛峠に到着しました。
2)登山口界隈を歩く
今日は時間的に十分余裕があり、金峰山へ向かう前に登山口界隈を覗き見歩きをします。国師ヶ岳方面にある「夢の庭園」へ向い、紅葉に染まった山並を楽しみます。
3)大弛峠登山口~大ナギの稜線へ
「夢の庭園」を楽しんだ後、10時15分大弛峠の金峰山登山口をスタートします。しばらくはシラビソ、トウヒなどの針葉樹林帯の上りが続きますが、徐々に木々の隙間から、そして時折視界も開け、南アルプスの山並や富士山も見えるようになります。10時55分朝日峠を通過、そして11時28分「大ナギ」の稜線に到着しました。
4)大ナギの稜線、そして朝日岳~鉄山へ
「大ナギ」での大展望を楽しむため休憩をとります。富士山、南アルプスの山並、そして山麓の紅葉など素晴らしい展望です、感動的でもあります。
休憩後、岩場の稜線を先に進みます。富士山などの展望を楽しみながら朝日岳(12時)、鉄山(13時)を通過、ひときわ目立つ五丈岩も見えてきました。金峰山に近づくに連れて高木は姿を消し、低木のハイマツ帯になりました。展望は更に開けます、金峰山はもう少しです。
5)金峰山山頂へ
金峰山への直前の稜線に出ると展望は更に広がります、素晴らしい大展望です。富士山、そして八が岳の左右には南アルプス、中央アルプスの山並も広がります。また眼下には明日登る瑞牆山も見えます。更に進み、13時55分金峰山山頂に到着しました。山頂には多くの登山者、、、流石に人気の山です。山頂で記念写真、そして五丈岩まで進み、更に記念写真。大展望も楽しみます。
14時30分、金峰山山頂と五丈岩を楽しんだ後、宿泊先の金峰山小屋へと向かいます。14時50分山小屋へ到着し、1日目の山行を終了しました。
7)金峰山小屋~砂払の頭までの岩稜帯と大展望
2日目、今日は今回山行の核心部、「砂払の頭」までの岩稜帯、そして瑞牆山への山行です。
5時55分 日の出に合わせて山小屋を出発しました。素晴らしい天気です。気持ちの良い展望を楽しみながら絶景の岩稜帯を進みます。感動的な展望です、道幅は狭くはないですが、山梨県側は鋭く切れて絶壁、慎重に歩きます。
8)砂払の頭~大日岩、富士見平小屋
岩稜帯を歩き終え、6時55分「砂払の頭」を通過、コースは針葉樹林帯へ入ります。此処から富士見平小屋まで700m程標高を下げます。7時50分大きな岩山の大日岩に到着、折角なので登って見ると大日岩は最高の展望ポイントでした。
8時35分大日小屋を通過、富士見平小屋に近づくに連れ、広葉樹が目立ち始め、紅葉の景色も楽しめる様になります。9時24分富士見平小屋に到着しました。此処は気持ちの良いテント場・小屋、ゆっくりと休憩できる「山のオアシス」でした。瑞牆山への分岐にもなっています。大休憩を取り、瑞牆山への上りに備えます。
9)富士見平小屋~瑞牆山への上り
富士見平小屋で30分少し休憩。食べ物補給後、10時瑞牆山に向け出発しました。瑞牆山へは一度下り、小さな沢を渡渉、その後は大きな岩の隙間に続く最適ルートを探しながらの上りとなります。凡そ2時間ほど頑張りとなります。幾度か休憩を取りながらも、予定より早く11時47分瑞牆山に到着しました。
10)瑞牆山山頂
瑞牆山の山頂は登山者で賑わっていました。順番待ちで記念写真を撮り、山小屋で作って頂いた弁当を食べながら景色を楽しみます。ただ残念ながらガスっていて、山頂からの雄大な景観は見る事ができませんでした。山頂は石舞台のような巨大な岩盤からなり、頂上からの景観は屋久島白谷雲水峡の太鼓岩からの景観と雰囲気が似ていました。
11)瑞牆山からの下り~そして富士見平小屋へ
山頂で25分ほど楽しんだ後、12時50分下山を開始、上ってきた道を慎重に下ります。岩場、足下の悪い箇所も多く、集中力を切らさない様、幾度か休みを取ります。予定より早く、14時15分富士見平小屋まで戻ってきました。
12)富士見平小屋~瑞牆山荘
富士見平小屋で10分程小休止の後、14時25分下山口の瑞牆山荘を目指して出発します。広葉樹の多い道、紅葉も見ごろを迎えており、気持ち良く歩きます。途中瑞牆山のビューポイントがあり、最後の記念写真を撮り、その後紅葉の道を一気に下り、15時05分瑞牆山荘へ無事下山しました。
2日間で距離:15km、累積標高+1300m・-2200m、歩行時間11時間40分(休憩時間を除く)、ルート定数34の山行でした。参加の皆さん、お疲れ様でした。
3.山行を振り返って
今回の例会は奥秩父の人気の日本百名山2座を登る欲張りでかつ贅沢な山行でした。しかし計画が夜行バス利用、また高山では10月下旬は冠雪期にも当たる事から装備面も気になり、天気次第では厳しい山行になりかねないとも心配していました。
幸い今年は異常なほど暖かさが続き、奥秩父の高山も10月下旬になっても気温は氷点下まで下がらず、そして紅葉が見頃。しかも心配していた天気も好転、直前に装備も軽量化でき、結果的に登山日和の下での素晴らしい、最高の感動的な秋山山行が楽しめました。
また夜行バスの利用は個人的にも凡そ35年ぶりで、体調面への影響を心配しました。私個人は鈍感なのか、睡眠をとる事ができましたが、やはり睡眠不足を訴えるメンバーもおられ、中高年齢者にとってこの辺りの事は今後の検討課題かとも思われました。
それにしても奥秩父の金峰山・瑞牆山例会は登山日和の下、360度の大展望に恵まれ、富士山や八が岳、南アルプスなどの山並を楽しみながら、岩稜帯の縦走、針葉樹林帯での快適な歩き、平年より2週間ほど遅れている紅葉にも間に合い、更に瑞牆山荘の温泉とビールなど、期待以上に楽しめた素晴らしい秋山山行となりました。
最後に例会を企画・準備・山行をリードして頂いたCLのKさん、SLのOさん、何から何までお世話になり、ありがとうございました。素晴らしい山行ができ感謝です。
※1 山小屋への衣服の忘れ等はあったものの、特記すべきヒヤリハット無し。
※2 今回の例会は見どころも多く、ブログが長くなってしまいました。
(文責:No743)