大阪中高年ハイキングクラブ・ブログ 

大阪中高年ハイキングクラブ例会活動報告

京都北山・愛宕山縦走

12月3日 越畑から清滝までの愛宕山縦走BⅠハイクを行いました。参加者は10名。

 

1.計画概要

アクセス:6:39大阪駅発(JR京都線米原行き快速)→7:13京都駅着/(乗換)7:34発(嵯峨野線園部行普通)→8:12八木駅着 /(乗換)8:27発(京阪京都交通)→9:02越畑

コース:越畑~地蔵山~スキー場跡~三角点~愛宕神社月輪寺~清滝

距離時間等:歩行:約6時間30分 距離:約12㎞ 累積標高約1000m

計画設定:愛宕山登山には一般的に清滝からの表参道がよく利用されていますが、今回は800程の棚田が広がり、茅葺き民家も残っている京都市右京区嵯峨の越畑集落から地蔵山~愛宕山~清滝までの、静かな山行と自然林のなだらかな尾根道が続き、展望が楽しめる愛宕山縦走を計画しました。初冬かつ最も日の短い季節の山行である事を考慮し、BⅠ例会と設定しました

 

 山域の概要:愛宕山京都市右京区にある標高924mの山、東の比叡山と並び古くから信仰の対象とされた山です。山頂には全国に約900ある愛宕神社の総本社があり、火伏せ(防火・鎮火)の神として知られています。地蔵山愛宕山の北に位置する、いわば裏愛宕の山です。京都府内には一等三角点が8つありますが、地蔵山はその中で最高峰の山です。そして愛宕山(924m)、地蔵山(947.6m)、竜ヶ岳(921m)の3つの山は愛宕三山と呼ばれています。

 

2.山行の記録

8時36分 JR八木駅から京阪京都交通バスに乗り、登山口のある越畑に向かいます。越畑京都市右京区嵯峨ですが、アクセスは南丹市のJR嵯峨野線八木駅からとなります。                                                                                                                                          9時02分 バスは越畑に到着。此処は「越畑の棚田」で有名な郷です。満員のバスで疲れましたが、気を取り直し軽くストレッチ体操、9時15分スタートしました。登山口はバス停から少し戻り、集落の中の道を進んだ先にあります。

 

獣避けのフェンスを開閉して樹林帯の中の緩やかな道を登って行きます。最初は植林帯ですが、次第に雑木の林に変わっていきます。

途中地元の方から「熊に気をつけて」と声をかけられました。ここ裏愛宕丹波山地とつながる山域です、出会い頭の遭遇を避けるため賑やかに喋り、そして笛を吹き、森の動物への挨拶を繰り返しながら歩きます。

 

9時50分 道は大きく曲がりながら細くなってきたと思うと、明るい峠に着きました。スギとアカマツの林の芦見峠です。広い鞍部になっていて道が十字路に交差しています。直進すると芦見谷川へ下る道や三頭山への登り口がありますが、右折し地蔵山へと続く道をとります。

 

明るく気持ちの良い尾根道の雑木林が続きます。踏み跡は薄いです、落ち葉がフワフワしています。

 

そしてコースは次第に厳しい登りへ、、一息入れます。登り始めるとそれまで賑やかな話し声は次第に静かになりました、急登と言うほどでありませんが、長く厳しい登りでした。

 

次第に曲がりくねった木々が見られる様になります。裏愛宕は気象条件が如何に厳しく、積雪の多い山域であるかが窺えます。


そして穏やかで開けた尾根道へと変わります。10時40分 西向き地蔵尊へ到着しました。この辺りはアセビの灌木が続く尾根道です。展望も開け、気持ち良く歩けます。

 

10時54分 地蔵山へ到着、歩き始めてから1時間40分要しました。地蔵山の山頂は小さな広場になっています。展望は良くありませんが、明るくて気持ちの良い場所です。この山頂には一等三角点があります。標高947.6mです。

温度計があり、気温を確認すると2℃、風も冷たく立ち止まると寒さが身に応えます。ここまで我々以外、誰一人として出会いません、コース貸切の山行です。

 

 

10時55分 休憩後、更に南へと進みます。アセビの灌木帯の中を、アップダウンを繰り返しながら進むと電波反射板がありました。このピークからの展望は素晴らしく、正面には愛宕山の山頂の森、振り返ると地蔵山がどっしりとした山容を見せています。また東方向は竜ヶ岳も見えます。

 

反射板のピークを更に南へ進みます。クマザサとアセビの明るい尾根道が続きます。

 

やがて、かつてスキー場があった一帯を通ります。今は雑木が成長しその面影もありませんが、調べてみると昭和3年に完成、当時関西では最大規模を誇ったと云われています。ケーブルカーやホテルもあるリゾート地であったそうです。しかし先の戦争の影響で愛宕山ケーブルは不要不急の路線として昭和19年にホテルなどの施設と共に廃止されたそうです。

 

11時49分 愛宕山の三角点に到着、再び参道に戻り更に進みます。そして京都北山の展望ポイントに差しかかります。天気が良ければ更に素晴らしい展望となります。


月輪寺への分岐に到着しました。分岐の直ぐ下は広場があります。ベンチもあり、京都市内を見下ろすことができます。12時5分 此処で昼飯タイムをとります。東方向の展望が素晴らしく、比叡山、比良などの山々が広がっています。

 

昼食後、愛宕神社へ向かいます。トイレ休憩の間にSLのKさんが代表して参拝、集合写真の撮影、そして下りに備え再度のストレッチ体操の後、清滝に向け月輪寺を経由したコースを下ります。

 

13時18分 月輪寺に到着、月輪寺は8世紀初頭に創建された天台宗の寺院です。愛宕神社と関係が深く、愛宕五坊の一つでした(五坊の内、現在に名をとどめているのは月輪寺神護寺のみ)。この月輪寺へのアクセスは清滝バス停から山道を2時間近く徒歩で上る以外にありませんが、今でも無住寺でなく高齢の住職さんがおられます。お寺の維持には大変な苦労があると思われます。皆さん、お詣りし、お賽銭、、。


13時25分 月輪寺を後にします。14時7分 京都トレイルとの分岐に合流しました。

 

清滝川、名残の紅葉・黄葉を楽しみながら川沿いの道を清滝まで下って行きます。14時34分 愛宕山表参道登山口にある鳥居前に到着、14時50分のバスに乗るべく猛ダッシュ。そして14時42分ゴールの清滝バス停に到着、事故無く例会を終えました。

距離:11.6km、累積標高:+850m・-1100m、歩行時間:4時間45分(休憩時間を除く)の山行でした。参加された皆さん、お疲れ様でした。

バス停で例会山行の解散を宣言。その後、阪急桂駅近くの店で反省会を行い、全日程を終えました。

 

3.山行を振り返って

愛宕山(神社)は全国愛宕神社の本社であるだけに多くの参拝者やハイカーが訪れる、京都を代表する山の一つです。主要なルートは良く整備されていますが、針葉樹林帯も多く、必ずしも十分に展望が望める山ではありません。

そこで今回は愛宕山の山域の中でも静かで、尾根道が続き展望が楽しめる越畑から地蔵山~愛宕山月輪寺~清滝への、裏愛宕からの縦走を計画、実施しました。今回、落葉の季節に歩いてみて、明るくなだらかな尾根道と気持ちの良い展望、加えてアセビのトンネル、名残の紅葉などもあり、十分に楽しむ事ができました。愛宕山の山域で展望が最も楽しめるコースです、一度は歩いて頂きたいですね。 

しかし、越畑は遠い登山口でした。またこの山域は丹波山地とつながっており、熊との出会い頭の遭遇を気にしながらの山行でもありました。SLのKさんをはじめ、皆さんには朝早くからの例会に参加頂くと共に賑やかに声をだしたり、笛を吹くなど協力して頂きました。お陰で動物と遭遇する事も無く、無事、初冬の愛宕山縦走を終える事ができました、そして楽しく反省会も、感謝です。